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猛暑で売れたものは? 日傘や水着、サングラスに特需

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記録的な猛暑を受けて、ファッション関連の小売り企業やメーカーからは、「暑さをしのぐのに有効なアイテムが売れている」といった声が上がっている。トレンドアイテムとしても好調な水着やサングラス、今や女性だけでなく男性にも広がりつつある日傘などが各社の売れ筋として浮上した。ウエアでは、Tシャツやスポーツサンダルとともに、ドライタッチなどの機能性アイテムに支持が集まっている。
伊勢丹新宿本店では、3階で11日から26日まで行っている「『オトナ女子』のためのスイムウエア」催事が好調だ。新規催事のため前年と単純に比較することはできないが、水着の売り上げでいえば前年の3倍以上で推移している。日本の人気水着ブランド「アリシアスタン(ALEXIA STAM)」、バルセロナ発の「TCN」、イタリアの高級ランジェリー「ラペルラ(LA PERLA)」などの水着がそろう。ビキニではなくワンピースタイプが売れ筋で、鮮やかな赤や青の商品が好評。中心価格は2万5000~3万円ながら、ランジェリーブランドによる6万円前後の水着も「高額ながら幅広い年代から引き合いがある」。メンズ館でも水着が売れている。1階でイタリアの鮮やかな色柄の水着「ティキ(TIKI)」などを集めた催事を11~24日に行ったところ、前年の同催事の4倍の売り上げになった。
その他、7月の好調アイテムとして上がったのは、1階婦人雑貨売り場の晴雨兼用傘(売り上げは前年比65%増)や帽子(同10%増)、サングラス(同25%増)など。メンズ館では、1階正面入り口すぐで行ったサングラスの催事が好評で、14日、15日は単日のサングラス売り上げが過去最高額を更新した。地下1階肌着売り場では、スラックスのインナーとして、接触冷感素材のロンパン(ステテコ)が売れている。
実需商品が求められる一方で、“ファッションの伊勢丹”らしく「ラグジュアリーダウンブランドは、猛暑の中でも売り上げは同70%増だった」。
大丸東京店では、婦人用の日傘や扇子が良く売れた。15~21日の売り上げは、日傘が前年比20%増、扇子が同8%増だった。夏用化粧品を求める声も上がっている。スキンケアベースやファンデーションで「ひんやりとしたタイプを求める声が増えている」。
松坂屋上野店でも日傘は婦人、紳士ともに好調だ。7月の売り上げは、婦人が前年比15%増。紳士は昨年の販売本数が少ないこともあるが、今年は昨年の2倍のペースで売れており、問い合わせも多い。
ビームス(BEAMS)ではTシャツやスポーツサンダルの動きが男女ともに非常に活発だ。ウィメンズはロックTシャツなどのプリントTシャツが売れており、ウィメンズカジュアルの全売り上げの半分をTシャツが占めている。メンズは、ボタンダウンシャツを含めた半袖シャツが売れている。半面、昨年好調だったリネンの七分丈シャツなどの動きは鈍い。サンダル類は5月に店頭投入して以降、例年に比べて動き出しが2週間ほど早く、シャワーサンダルと「スイコック(SUICOKE)」のスポーツサンダルが売れ筋になっている。
ロンハーマン(RON HERMAN)では、今すぐ着られるプレ・フォールの商品が売れており、「各店とも総じて売り上げは好調」だ。はっきりとしたグリーンやキャメル、ブラウン系など、秋につながるカラートーンに支持が集まっている。例年販売している「オーラリー(AURALEE)」の別注Tシャツや「フィルメランジェ(FILMELANGE)」のノースリーブカットソーは、カラーバリエーションや型数を増やしたところいずれも好評で、既に追加オーダーをかけた。比較的年齢の高い顧客には、「Tシャツだけではデコルテが心もとない」と、ネックレスなどのジュエリーも一緒に売れている。猛暑で消費傾向に変化はあるかという問いに対しては、「普段から車で移動・来店する客層が中心なので、気温によって傾向が大きく変わるようなことは特にない」といった声もあがった。
ベイクルーズグループのドゥーズィエム クラス(Deuxieme Classe)は、軽衣料とアクセサリーといった実需商品を軸に店頭構成したことで、気温に関わらず計画通りに推移している。トップスはTシャツやカットソー、ボトムスは「カジュアルになりすぎない」キレイめのシルクサテンのワイドパンツやテーパードパンツが売れている。「さらっと着られてまとわりつかず洗える点が支持された理由。キレイなパンツとの合わせを提案すると、Tシャツも挑戦しやすいのでは」(広報担当者)。また、Tシャツを着ないコンサバ好みの顧客には、オリジナルのシャツワンピースが人気だった。雑貨は、サングラスを例年よりバリエーション豊富に用意したことで、プラス1点買いにつながった。その他、キャップや「ゴールデングース(GOLDEN GOOSE)」のスニーカーなどのスポーティなアイテムも動いた。
三陽商会では、ウィメンズ、メンズ共に、夏向けならではの機能性を盛り込んだ商品が人気だ。「マッキントッシュ ロンドン(MACKINTOSH LONDON)」のウィメンズでは、自宅で洗える素材のワンピース(3万6000円)が前年の2.7倍売れている。メンズの「エポカ ウォモ(EPOCA UOMO)」では、通気性やストレッチ性、はっ水性などを高めたジャケットが前年比80%増の伸び。「マッキントッシュフィロソフィー(MACKINTOSH PHILOSOPHY)」のUVカット素材と吸水速乾、抗菌防臭でシワになりにくい機能を加えたメンズのポロシャツ(1万1000円)も同50%増で推移している。
ワールド傘下のファッションクロスが運営するウエアや雑貨のショップ、イッツデモ(ITS'DEMO)では、帽子や日傘、UV関連化粧品が前年の2倍売れているという。サングラスも2ケタ増だ。帽子と日傘は商品数が足りず、セール時期でも値引きなしでの販売を継続している。塩分補給を意識してか、菓子類では梅味の商品が人気。
「ジンズ(JINS)」の今夏のサングラスの売り上げは、前年比20%増で推移している。ベーシックなデザインの3000円の商品が20~30代に人気で、フレームカラーは男性はグレー系、女性はブラウン系が好評だ。加えて、薄めのカラーレンズのサングラスも動いている。全国的に売れているが、中でもショッピングセンター内の店舗が好調で、猛暑のために涼める場所として集客につながっていると見る。
「ゾフ(ZOFF)」の7月のサングラス売り上げは過去最高額で推移している。40~50代に、7500円などの比較的高価格な高機能サングラスが売れていることが寄与している。売れ筋はマグネットによって通常の眼鏡にサングラス用レンズを脱着できるデザインや、軽量素材を使用した商品など。手に取りやすい3500円の商品では、定番のウェリントン型やトレンドのボストン型など、ファッションにも取り入れやすいデザインが人気となっている。
ミラリジャパンの「レイバン(RAY-BAN)」では、7月に入って急激に売り上げが伸びた。調光レンズの“エヴォルヴ(EVOLVE)”を使用したモデルが「非常に好調」という。トレンドの薄色カラーレンズながら、紫外線に当たるとレンズの色が濃くなる高機能商品で、さまざまなモデルを出している。価格は2万5000円前後が中心。定番モデルも売れており、女性を含め新規客が増えている。

「エコーズ ラッタ」のデザイナー2人に聞く「アグ」とのコラボ

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アメリカ・カリフォルニア発の「アグ(UGG)」は昨年、ブランド設立40周年を迎えた。これを記念し、「ヘロン・プレストン(HERON PRESTON)」や「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」「サカイ(SACAI)」「ホワイトマウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」など、米国内外のさまざまなブランドとのコラボレーションを発表。直近の2019-20年秋冬のコレクションサーキットでも数々発表しており、そのうちの1つがニューヨークを拠点とする「エコーズ ラッタ(ECKHAUS LATTA)」とのコラボだ。同ブランドは、“美大のハーバード”と称されるロードアイランド・スクール・オブ・デザインで出会ったマイク・エコーズ(Mike Eckhaus)とゾーイ・ラッタ(Zoe Latta)の2人が11年に設立。意外性のある素材を組み合わせたり、工業用倉庫でランウエイを発表したりと、枠にとらわれない活動を見せてきた彼らと「アグ」はいったいどういう経緯でコラボし、アイテムを製作したのか。エコーズとラッタの2人に話を聞いた。

そもそもブランドを立ち上げた理由は?

エコーズ&ラッタ:ファッションというジャンルで自分たちのアイデアをいろいろな人たちと共有したいという思いから立ち上げた。
デザインのインスピレーションは何から得ている?また、デザイン時には何を意識している?

エコーズ&ラッタ:物事を考えすぎないようにすることを重要としていて、何か1つのテーマを決めてデザインをしたことはない。コレクションは自分たちとチームのメンバーとの間の有機的なプロセスから生まれる。インスピレーションはかなり直感的で、たとえ後ろを振り返ることであっても成長できると信じているから、直前の仕事の影響を受けることが多い。

デザイナーとして大切にしていることは?

エコーズ&ラッタ:常に柔軟でいること。デザインとは流動性を与えることでより豊かになる。あとは、編集を明確にすることと、移り気になりそうな衝動と闘うこと。

これまでニューヨーク・ファッション・ウイークには何度か参加しているが、ニューヨークでショーをやり続ける理由は?

エコーズ&ラッタ:ニューヨークはブランドが生まれた地で、われわれの大きなコミュニティーがあり、彼らと一緒にショーを作り上げることが大好きだから。ニューヨークには居場所がある。
枠にとらわれない活動で知られるが、ランウエイでたびたびプラスサイズモデルを起用する理由は?

エコーズ&ラッタ:「エコーズ ラッタ」を着る人は決して同じタイプの人たちだけではないから、さまざまな人種や体形のモデルを起用した。洋服は、さまざまな人たちに着てもらうことで命が吹き込まれると思っている。

19-20年秋冬コレクションで「アグ」とのコラボフットウエアとアウターを披露したが、協業の経緯は?

ラッタ:「アグ」は他に類を見ないオリジナリティーを持つカリフォルニアブランドで、協業以前から興味があったし、何より私が10代の頃に履いていた。「アグ」の代表的なブーツは、もともとはカジュアルなアイテムだったからリラックスしたライフスタイルが反映されていて、今ではファッションシーンを代表するアイコンになっている。このブーツにわれわれのエッセンスをプラスできることに魅力を感じて協業を決めた。

“ブロック ブーツ”を着用したモデル。「エコーズ ラッタ」2019-20年秋冬コレクションから
“ブロック ブーツ”からはクラシックブーツのDNAが感じられる。

エコーズ&ラッタ:「アグ」のクラシックブーツは、ファッションに興味があるないかにかかわらず、多くの人たちのワードローブの定番になっている。この普遍的なシューズであるという側面が気に入り、クラシックブーツにとっての本物とは何かを、「アグ」と「エコーズ ラッタ」で創り出したいと思ったからそう感じるのだと思う。

どのようにしてブランドらしさをフットウエアに落とし込んだ?

エコーズ&ラッタ:直感的なプロセスに従いながら試行錯誤を繰り返すことで、「エコーズ ラッタ」らしいデザインにたどり着いた。

「エコーズ ラッタ」2019-20年秋冬コレクションのフィナーレに登場したゾーイ・ラッタ(左)とマイク・エコーズ
WWD:協業して実感した「アグ」の魅力は?

エコーズ&ラッタ:先にも話したが、「エコーズ ラッタ」はテーマを決めてデザインをすることはない。しかし「アグ」の確立された伝統をベースにすることが、われわれにとっての新しいアイデアの出発点となった。「アグ」はわれわれのアイデアをしっかりと理解し、期待以上のレベルで形にしてくれた。

「アグ」以外にもさまざまなブランドとコラボしてきたが、コラボのメリットは?

エコーズ&ラッタ:自分たちとは異なる視点を持つ人々と一緒に仕事をすることができる。さまざまな見方や考え方をする人々と仕事をすることで、予想外の結果につながる。

エコーズ&ラッタ:着実に成長を続けながらも、デザインやブランドの精神で妥協しなかったこれまでの道のりを大切に思っている。だからこそ、これまでと同じように成長を続けていくことができればと思っている。

ジュエルニスタ コンテスト

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