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デュアリティ ピンクゴールド No.8

1996年、フィリップ・デュフォー氏は、1つのムーブメントに2つの脱進機(エスケープメント)を搭載した世界初の腕時計としてデュアリティを誕生させました。それぞれのエスケープメントが完全に独立して動き、ディファレンシャルギアによって誤差が平均化され、より高い精度を実現するというもので、驚異のメカニズムと称賛されました。

デュフォー氏がこのデュアリティの着想を得たのは、1930年代のヴァレ・ド・ジュウ時計学校で作られた数本のスクールウォッチに基づいており、それは、二重テンプ式の懐中時計でした。同氏は、グランドソヌリ同様に、この機構を腕時計のサイズに縮小して作り上げました。デュアリティの機構についてより詳細を知りたい方は、ジャック(・フォースター)が直接デュフォー氏に伺って執筆した記事「フィリップ・デュフォー デュアリティをデュフォー氏本人が解説」をご覧ください。

 デュアリティは、当初は25本の製造が予定されていましたが、結局はムーブメントNo.00の個体を含めて9本のみが作られました。No.00は、2017年にフィリップス・ニューヨークで100万ドル近く(約9881万円)で落札されました。今回登場するのは、最後に作られたNo.8。また、ピンクゴールド製は3本しか製造されていません。

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